「完全にキャパオーバーなんです」というセリフをよく聞く。
自分に与えられた仕事量が多すぎるために、仕事がまわっていない、円滑にこなせていないのだ、という主張のよう。
その仕事量は本当にキャパオーバー?
普段からその方の仕事ぶりを観察していると、キャパシティの問題というよりはやり方に課題があることが多いと感じる。
やり方が非効率的だと
▶︎徒労感ばかりが増し、
▶︎疲弊し、
▶︎疲弊した脳では判断力が低下し
▶︎さらに能率が悪くなり仕事がたまり
▶︎「やりきれない」=「キャパオーバー」と認識
という悪循環に陥ってしまう。
なぜ仕事のやり方が非効率なのか?
「キャパオーバーなんです」って、その捉え方をいったんストップしよう。
上記の悪循環に陥っている場合、おうおうにして自分の業務量を概観できていないことが多い。
まずは自分の仕事の全体を眺めて、だいたいの年間計画を立てることだ。
◆業務上でどうしても苦手分野があるなら
あらかじめSOSを出せる用意をしておく。
得意な人から知恵を借りておく。
それが滞らないようなしかけを自分にしておく。
◆複数の業務を並行してこなさなければならないなら
一つにかかりきりにならないよう、今進行しているものが自分に常に並んで意識できるように工夫をしておく。
◆ちょっとした「苦手なこと」は
先にすましてしまう。
例えば「電話が苦手」なら、「いやだなあ、またうまく話せなかったらどうしよう」と思う前にかけてしまおう。もちろん、伝えることはシンプルにメモをしておいて、そこから脱線しないようなしかけを自分にしておく。
「いやだなあ」の感情は先延ばしするほど居座り、あなたの仕事をどんどん停滞させる。
感情にとらわれすぎていると、その分仕事は遅れていってしまう。
◆「丁寧な仕事ぶり」に固執しない
「丁寧な仕事」「気がきく」とは聞こえはよいが、丁寧さは適正なものか?自己満足で、あるいは「削ぎ落とすことができないがゆえに」丁寧なのではないか?自己点検が必要なのだ。
そして、他人の分までやってしまうことやめよう。
その業務は本来誰のものなのか?そこを曖昧にし、「サポート」と称して他人の仕事をとってしまったり、その人を無力な存在としてしまったり、引き受けておきながら自分もやりきれなかったり、といった事態は避けるべきである。
シンプルさが大事だ。
余計なものをくっつけすぎている場合が多い。
削ぎ落とすのは勇気がいる。
しかし、削ぎ落として自分の職務を責任持って全うし、その上で発言できていけば、周りからはいつしか信頼を得ていける。
そして、あなたが肩代わりをしていた仕事を本来の人に戻し、その人がやり方を間違っていたらその点についてアドバイスをしよう。
まとめ
●「キャパオーバー」と感じる状態は、悪循環に陥ってる状態
●仕事量の問題というよりは、仕事のやり方の問題ではないか
●自分の仕事を概観し、ざっくりとしたプランをたてよう
●仕事遂行上の「苦手」にはしかけをしよう
●優先順位とメリハリをつける
●丁寧さは過剰担っていないか、自己チェック